製品製造に関する仕訳方法について
今年から革製品による製造販売事業を始めましたが、仕訳の記帳方法がわからない為、ご教示のほど何卒宜しくお願い致します。
製品は受注生産品となり、注文が入り次第、材料を仕入れて自社製造を行います。
売上計上は着荷基準、仕訳は売上原価対立法で考えております。
また製造原価については間接費はなく直接費のみとします。
以下、実際の業務の流れとなります。
2022/9/1 注文受付(受注) 11,220円(内訳 製品代:11000円 代引き手数料:220円)
2022/9/3 材料を現金で仕入 5,500円
2022/9/8 材料の1/5を使用して製品完成
※工程が一つしかない為、仕掛品はございません
2022/9/10 代引き配送により発送(発送費は自社負担800円)
2022/9/11 納品先に配送完了
2022/9/12 指定口座に代引き手数料が引かれた金額が、配送会社より入金
質問1:上記、業務の流れにおいて、仕訳は以下で正しいでしょうか?
2022/9/03 材料仕入高 5,500/現金 5,500
2022/9/08 製品 1,100/材料仕入高 1,100
2022/9/10 荷造運賃 800/現金 800
2022/9/11 売掛金 11,220/売上 11,220
【売上原価】 1,100/製品 1,100
2022/9/12 預金 11,000/売掛金 11,220
支払手数料 220/
質問2:上記仕訳において【売上原価】にはどのような科目を設定すればよろしいでしょうか?それとも「売上原価」というズバリそのままの名称の勘定科目を作成するのが正しいのでしょうか?
質問3:今期末、来期首の決算仕訳において、材料仕入高に関する仕訳は必要でしょうか?必要な場合、どのような仕訳を記帳すればよろしいでしょうか?
税理士の回答

①文面から判断する限り、仕訳はおっしゃる通りで問題ないと考えます。
②「売上原価」というそのままの勘定科目を作成するのが正解です。
売上原価対立法で記帳している以上、その勘定科目を使用するのが適当だからです。
③上記の仕入れた材料がそのまま4,400円残ってしまったとかていすると、
・期末決算時
(借方)材料 4,400 (貸方)材料仕入高 4,400
・期首振替
(借方)材料仕入高 4,400 (貸方)材料 4,400
という仕訳が必要になります。そのままだと、未使用の材料が原価に算入されてしまうからです。
質問4:「②「売上原価」というそのままの勘定科目を作成するのが正解です。」とのご回答を頂きましたが、こちらはP/L科目でよろしいでしょうか。C/R科目ではないと思いましたが、念のため確認させてください。
質問5:「売上原価」がP/L科目であるとしたら、損益計算書上ではどのカテゴリに属する科目になりますでしょうか。『売上原価』のカテゴリに属する科目になるのでしょうか?
※イメージ
【損益計算書】
売上
┗売上高
売上原価
┗売上原価 ←こちらの箇所でよろしいでしょうか?
(※MoneyForwardでは『売上原価』のカテゴリに科目を追加できない制約がある為、もしそうであるならば代替案もご教示いただけますと幸いです。)
質問6:質問3の回答でご教示頂いた通り、仮で期末決算仕訳を登録しましたが、B/S、C/Rが想定している通りに出力されませんでした。念の為、その他の勘定科目についても確認させてください。
・材料仕入高 区分:C/R科目 カテゴリ:当期材料仕入高
・製品 区分:B/S科目 カテゴリ:棚卸資産
・荷造運賃 区分:P/L科目 カテゴリ:販管費
・売上原価 区分:P/L科目 カテゴリ:???? ←質問4
・材料 区分:B/S科目 カテゴリ:棚卸資産 ←質問3で頂いた回答の科目
質問7:使用しているマネーフォワード会計には、C/R科目に「期末材料棚卸高」という科目が存在します。質問3の回答で頂いた期末決算仕訳ですが、こちらの科目を利用するほうが正しいのでしょうか?
質問8:以下の仕訳を登録すると、C/R「Ⅰ材料費」の当期材料仕入高が0円で計上されているのですが、こちらは正しいのでしょうか
材料仕入高 5,500/現金 5,500
製品 1,100/材料仕入高 1,100
売上原価 1,100/製品 1,100
材料 4,400/材料仕入高 4,400
現在、システム上ではC/Rが下記のように表示されております
◆Ⅰ材料費
1.期首材料棚卸高 0
2.当期材料仕入高 0
3.期末材料棚卸高 0 0
---------
イメージとしては、
◆Ⅰ材料費
1.期首材料棚卸高 0
2.当期材料仕入高 5,500
3.期末材料棚卸高 4,400 1,100
---------
と表示されるのかと考えておりましたが、売上原価対立法では都度製品に振替されるため、上記で正解なのでしょうか。
長文となり大変申し訳ございません。
引き続き何卒宜しくお願い致します。
ご回答ありがとうございました。頂いた回答をもとにシステムに仕訳を登録しているのですが、イメージ通りではない気がしております。お忙しいところ恐縮ですが、何点か追加で質問させてください。
使用している会計システムはマネーフォワード会計となります。

④P/L科目です。
⑤カテゴリーはおっしゃる通りで問題ないと考えます。
会計ソフトは汎用品なので、売上原価の記帳方法として三分法を採用しているものとして作成されているものがほとんどで、売上原価対立法には合致しない可能性が高いです。
「当期商品仕入高」のところを、「売上原価」に書き換えるか、それができなければ上記の仕訳の「売上原価」のところを、「当期商品仕入高」に読み替えて仕訳するしかないでしょう。
⑥設定は上記で問題ありません。
⑦仕訳はおっしゃる通りです。本質は同じことです。
⑧最後の仕訳をおっしゃるとおり
(借方)材料 4,400 (貸方)期末材料棚卸高 4,400
に変更してください。
なお期首振替は
(借方)期首材料棚卸高 4,400 (貸方)材料 4,400
と変更してください。
売上原価対立法と矛盾する気もしますが、製造原価明細書(C/R)は作成したほうがよいかと思いますので、下段が出ればよいかと思います。

二番目のご質問を読むと、
2022/9/8の
(借方)製品 1,100 (貸方)材料仕入高 1,100
の仕訳も削除したほうがよさそうです。
理論的には正しいのですが、会計ソフトが自動的にその処理をし、当期製品製造原価に飛んでくるように設定されているものと考えられるからです。
9/11の
(借方)売上原価 1,100 (貸方)製品 1,100
の仕訳も削除したほうがよさそうです。
理論的にはただしいのですが、汎用品の会計ソフトでは当期製品製造原価は、売上原価の内訳科目に入っており、自動的に売上原価に算入されているものと想像されるからです。
どうも、売上原価対立法で記帳するのは、汎用品の会計ソフトではできないと考えたほうがよさそうですね。
汎用ソフトを使用するなら、普通に三分法を採用するしかないかもしれません。
早速のご回答ありがとうございます。
回答④⑤でご教示頂きました通り、P/L科目の『当期仕入高』カテゴリに「売上原価」の勘定科目を作成しましたところ、意図した通りP/L上に表現されました。
・P/L
【売上原価】
┗売上原価 1100円
回答⑦⑧について、改めて確認させてください。回答いただきました通り、期末材料棚卸高を使用しましたところ、B/S上は流動資産に材料が出力されております。ただし、C/R上がまだ意図した通りに出力されませんでした。
現在は以下の通り出力されております。
◆Ⅰ材料費
1.期首材料棚卸高 0
2.当期材料仕入高 4,400
3.期末材料棚卸高 4,400 0
---------
質問に記載したイメージのC/Rを出力しようとすると、指摘頂いた通り、やはりマネーフォワード会計では売上原価対立法では難しいのかもしれません。
念のため、三分法での仕訳についてもご教示ください。
2022/9/03 材料仕入高 5,500/現金 5,500
2022/9/10 荷造運賃 800/現金 800
2022/9/11 売掛金 11,220/売上 11,220
2022/9/12 預金 11,000/売掛金 11,220
支払手数料 220/
2023/3/31 材料 4,400/期末材料棚卸高 4,400 ※決算仕訳
上記仕訳で登録すると、B/S、P/L、C/Rは想定している通りに出力されました。
・B/S
【流動資産】
┗材料 4400円
・P/L
【売上原価】
┗当期製品製造原価 1100円
・C/R
◆Ⅰ材料費
1.期首材料棚卸高 0
2.当期材料仕入高 5,500
3.期末材料棚卸高 4,400 1,100
---------
上記で何か不足があればご指摘いただけますと幸いです。
また、決算仕訳についても、不足等があればご教示のほど何卒宜しくお願い致します。

三分法での仕訳はおっしゃる通りで問題ないと考えます。
B/S、P/L、C/Rの表示もきちんとなっているからです。
なお、三分法では、もし期末に製品が残っている場合、
(借方)製品 ××× (貸方)期末製品棚卸高 ×××
の決算整理仕訳が必要になります。
その場合、期首で同額で
(借方)期首製品棚卸高 ××× (貸方)製品 ×××
と振り戻す仕訳も必要になります。
本投稿は、2022年10月01日 16時45分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。