真面目にコツコツ取り組むお客様の成長のため伴走する
エスコート税理士法人(東京都北区)は、税務だけでなく、創業支援や資金調達、ファイナンシャルプランナーと連携しての資産運用など、付加価値のある様々なサービスを提供する税理士事務所です。また、NPO法人の税務会計に強い事務所としても定評があります。CFPの資格も持つ代表の林孝行税理士にお話を伺いました。
林 孝行 税理士
エスコート税理士法人
更新
NPOの税務会計に強み
ー エスコート税理士法人の強みを教えてください
林孝行 税理士
一つ目としては、NPO法人の税務会計に強いということですね。私の専門領域の一つであり、著書(『NPO法人 仕訳処理ハンドブック』(清文社))も出しております。
二つ目は、新設法人のお客様が多いので、会社の設立からのお手伝いの実績が豊富であること。
そして三つ目としては、税理士事務所の士業連携といえば、社会保険労務士や司法書士との提携が一般的ですが、そこに加えてFP(ファイナンシャルプランナー)とも提携を結んでいることです。私自身が日本FP協会東京支部の運営委員をやっていた経験もありますので、その関係で実績のあるFPのご紹介が可能です。例えば、資産運用を相談したいといった場合には、すぐにご紹介が可能となっています。
ー NPO法人に対するサービスについてお聞かせください。お客様はどのような方なのでしょうか?
林孝行 税理士
業種的には、福祉サービス、教育関係が多いですね。例えば、自治体からの委託を受けていることも多く、不登校児に対する教育支援、こども食堂を行うといった教育福祉、グループホームなどの障害者総合支援法に基づくサービスの提供などを行っているお客様です。
ー NPO法人と一般事業会社との違いについて教えてください
林孝行 税理士
ボランティア組織を法人化したところが多いので、活動規模が小さいところが多いことが特徴です。また法人として、利益を求めていないお客様が多いですね。言ってしまえば、収支管理、損益管理がきちんとできていないお客様が多い印象です。ですから、私たちの税務会計の知識で、きちんとした損益管理、コスト管理をご提案します。
ー NPO法人も申告は必要なのですか?
林孝行 税理士
一定の34業種であれば、収益課税がされます。やっていなければ法人税は関係ありません。また、特定非営利活動を行っているという認識のため、本来は納税義務があるのに気付いていないという法人も非常に多かったりします。
ー NPO法人をあまり扱っていない事務所との違いを教えてください
林孝行 税理士
NPO法人の会計関連は、公益法人の一種でもありますので、いわゆる企業会計よりも、公益法人会計寄りの会計基準になっています。その知識がなく、通常の企業会計の知識で決算書を作ってしまうと、法人の活動実態を表していないものになります。
例えば、特定非営利活動という公益活動を行うための経費を事業費と言うのですが、それをゼロにしているような決算書を出してしまうことなどが挙げられます。法人の維持管理のための支出として、すべて管理費にしているといった極端な例もありました。
FPと連携し、それぞれの専門領域の強みを活かす
ー 新設法人についてお聞きします。起業される方が先生に相談することはどういう内容が多いですか?
林孝行 税理士
まず、現状の事業内容や計画で、そもそも法人化していいのかというものです。個人事業のままの方がいいのか、それとも法人化した方がいいのか、といったご相談が多くあります。
そうした場合は、税務上の損得だけではなく、法人化によって信用力が高まるといったところなど、総合的な見地からアドバイスをするようにしています。
ー 単純に売り上げがいくら以上になったから法人化した方がいい、というわけではないのですね
林孝行 税理士
そうですね。売上規模が小さくても、これからどんどん大きな会社とお付き合いしていきたいという場合は、少し早くても法人化のご提案はします。逆にある程度の売上規模があっても利益がそこまでない場合は、もう少し利益がでるまで控えた方がいいでしょうというアドバイスをします。
ー 資金繰りの相談もありますか?
林孝行 税理士
はい、多いです。銀行とのお付き合いの仕方や現状の損益で借入ができるのかといったご相談です。でも、まずその前に試算表や帳簿をきちんとつけて、現時点の収支をきちんと把握することが大切だということから、お話をさせていただいています。
本当に基礎的なことですけれども、そうしたところからアドバイスをさせていただいています。
ー FPとの提携のお話も聞かせてください
林孝行 税理士
こちらは相互連携で、お客様をお互いに紹介しあっています。FPにもそれぞれ専門領域がありますので、お客様がお困りのことがあれば、それを解決するための専門家として紹介しあっているという感じですね。資産運用などのご相談があったときなどが典型的なパターンです。
保険の場合で言いますと、我々税理士が保険を扱うと、経営者の死亡保障対策などの経営者向け保険に注力しがちです。でも、実際には傷害保険、製造業や建設業の場合は損害保険といった保障が必要になりますので、トータルでの保険のご提案ができるFPの方をご紹介させていただいています。
ー 年金の話題で個人の資産運用が話題になっています。今後はこうした相談も増えていくのでしょうか?
林孝行 税理士
そうですね。具体的に資産運用のアドバイスというわけではないですが、制度のご説明や税制上のメリットを絡めたご説明は、今もやっておりますし、今後も増えてくるのかなとは思います。
例えば、個人型iDeCoの説明ですと、個人向けの積立NISAとの違い、どちらも老後資金を貯める目的があるわけですが、どちらがより節税を含めてご相談者様に向いているのかとか、国民年金基金とiDeCoとの違いなど、そうしたことですね。
また、人によって投資経験の有無やリスク許容度などがありますから、向き不向きがあります。自分で運用するiDeCoは、金融リテラシーが低い人には難しかったりしますので、お客様のニーズを踏まえながら、制度の違いをご説明して、選択していただくようにしています。
ー 資産がない人にも資産運用ができるのでしょうか?
林孝行 税理士
資産運用は資産の有無ではありません。ドルコスト平均法というのですが、毎月定期的にコツコツと積み立てていくことによって、金額が少なくても効果はあります。長期運用こそが大切だと思っています。
余剰資金が何百万貯まったら始めよういうものではありません。誰でもそうですけれども、余剰資金ってそうそうできるわけではないですから(笑)。とりあえず始めて、コツコツ続けていくことが大切です。そうすれば、複利効果を生んでいきますからね。
ー 事務所のお客様は、どういった業種の方が多いのでしょうか?
林孝行 税理士
サービスを提供する上で、業種特化は特にしていませんので、お客様の業種は非常に幅広いです。その上で、他の事務所よりも多いかなと思うのは、先ほどお話したNPO法人のお客様です。それから、地域柄もあるかもしれませんが、建設業のお客様です。
ー 先生はお若いですが、お客様も若い経営者の方が多いですか?
林孝行 税理士
はい。30、40代の同年代の経営者の方が多いです。どこの事務所も同じだと思いますけれども、自分と同年代前後のお客様がやっぱり多くなりますね。
ー お客様はご紹介で増やされているのですか?
林孝行 税理士
様々です。お客様や知人からのご紹介もありますし、税理士ドットコムからのご紹介などもあります。ホームページ経由でのご依頼もあります。
正直なお客様が損をしないようにサービスを提供する
ー 先生が税理士になろうと思ったきっかけを教えてください
林孝行 税理士
大学で選んだゼミがたまたま会計のゼミで、それが非常に面白かった、というところです。ぶっちゃけて言うと、そんなにたいそうな理由があったわけではありません(笑)。
それで、会計を仕事にしていこうとしたときに、簿記の勉強を通じて税理士という資格を知りました。調べてみると、税理士のお客様は中小企業がメインです。経営者と直にお話ができて、やりがいがあると思ったのが税理士を職業として選んだきっかけです。その考えは今でも間違ってはいなかったとは思っています。
ー 会計事務所に勤められた後、独立前に一般の会社に就職されていますね
林孝行 税理士
はい。会計事務所にずっと勤めていて、独立するのが一番多いパターンだと思います。もしくは、一般企業から会計事務所に転職して独立するパターン。私の場合は、最初の就職先が会計事務所だったものですから、そのまま独立開業してしまうと一般企業のことがわからないままだと思いました。
これから一般企業にアドバイスしていく立場にもかかわらず、一般企業のことがわからない、経験したことがないとアドバイスをすることが難しくなると思います。だから、上場企業の中に入って、その組織の中に入って働くという選択肢をとりました。実際の現場を体験したからこそ、きちんとしたアドバイスができていると思っています。
ー 今後の展望を聞かせてください
林孝行 税理士
事務所規模がある程度ないと、提供できるサービスにも限界があると考えていますので、ある程度の規模は追求していこうと考えています。まずは、サービスの質を高めながら、ここ赤羽事務所を軌道に乗せて、次は蒲田事務所と一つ一つしっかりと足場を固めていくことが大切だと思っています。
ー 最後に先生の税理士としての信念を教えてください
林孝行 税理士
エスコート税理士法人の「エスコート」、これは伴走するという意味です。お客様には、せっかく独立して事業を展開される以上は、その事業を成長させて、または成功していただきたいと考えています。ただし、個人でも法人でも成長の速度というものは個々人それぞれです。したがって、事務所としては、そのお客様にあったスピードで伴走していくというサービスを心がけています。そうした意味がこのエスコートという社名に込められています。
また、事務所の社訓として「誠実明朗」という言葉を掲げています。明朗とは内容をはっきり示してうそやごまかしがないという意味ですが、複雑な税金や会計のことをわかりやすく、明瞭に伝えてサービスを提供していくということです。
誠実というのは、お客様に対して誠実であり、自分自身に対しても誠実であることです。真面目にコツコツ税務申告をやっている正直なお客様が損をすることは、おかしいと思いますので、こうしたお客様を盛り上げていこうという理念を社訓に基づいて、実行しています。
ちなみにこの「誠実明朗」というのは、私が以前に勤めていた事務所の社訓でもあります。その時の所長がおっしゃっていたのは、「戦後は食料不足の時代で、帳簿をごまかして、ちょろまかしたお金で天ぷらとか美味しいものを食べていた経理担当者がいた。それに対して、正直に申告していた人たちは、本当に苦労していた。それを見て先代の所長は開業された。正直者がバカをみてはいけないということで開業したんだ」という内容でした。
最近でも架空経費の計上による脱税や消費税の不正還付など、いろいろなニュースを耳にします。正しく申告しているお客様がバカをみてはいけないという考え方は、今も昔も変わっていないと思います。ですから、その社訓をそのまま、自分の事務所に掲げさせていただいています。