困ったときこそ頼ってほしい、長い付き合いが培う信頼の絆
東陽町から徒歩1分。会計業務から企業コンサルティングまで幅広く業務をこなし、税理士会の役員としても信頼の厚い松本会計事務所(東京・江東区)の松本献税理士にお話を伺いました。
松本 献 税理士
松本会計事務所
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税理士はパートナー なんでも言ってほしいですね
ー 開業される前から東陽町にお住まいだったのですか?
松本 献 税理士
そうですね。ここを選んだのは、たまたまだったんですが、独身のときから住んでいます。もう長いですね。ここで結婚して、子供も生まれました(笑)。東陽町は、都心に出るにも千葉船橋あたりに出るにも便利ですからね。
独立して事務所を立ち上げたときは自宅開業でしたけど、少しずつお客様が増えて、何度か引っ越しました。全部、東陽町の駅から1?2分のところです。
ー お客様には長い付き合いの方が多いのでしょうか?
松本 献 税理士
そうですね、中には世代がかわって二代目、三代目の方もいらっしゃいます。やっぱり長く付き合わないと細かいところまではわからないんですね。
1年や2年くらいの関係だと遠慮があって、言ってほしいことを言ってもらえないこともあります。言いにくいと思われてその時ひかえちゃう方もいて、後で残念な思いをすることもありました。そのあたりが難しいです。いくら仕事だといっても、最初から根掘り葉掘りは聞きづらいものですし。
ー 話してもらうには信頼が大事ということですね。
松本 献 税理士
例えば、税理士を替える場合、合う合わないという相性の問題もあるでしょうが、会社を経営したり、従業員を抱えているような責任ある立場の方は好き嫌いといった感情だけでは普通は動きません。仕事をする上で感情面はある程度我慢すると思うんですね。
ただそれでも税理士を替えるというのは、ねっこに不信感がありそれを払しょくできなかったんだと思うんです。ちょっとした言動や第三者に何か言われたことが引き金になるなどして。でもそのときに信頼関係があれば修復できるでしょうし、私はお客様とそんな強固な関係を築く必要があると考えます。
税務調査で困ったら、悩まずに相談してほしい
ー 今、事務所で力を入れていることを教えてください。
松本 献 税理士
困っている社長さんを支援するということは変わらないんですが、ちょうど私自身視点を変えてやっていきたいなと強く思っていることがあります。それは、税務調査で困っている社長さんを積極的にサポートしていくことです。
先日、顧問先ではない方から税務調査の立ち合いを依頼されました。どうやら税理士資格をもたない無資格者に顧問をお願いしていたらしく、税務調査が入った途端に連絡がつかなくなったと言うんです。その社長さんは無資格者という認識はまったくなかったようで困り果て、以前からの知り合いである私のところに頼んできたというわけです。
大変な案件で、一般に行う税務調査よりも手間も時間もかかりました。本来、税理士が仕事を誠実にきちんとやっているかどうかは、元帳を見ればだいたいわかります。ところがこのときの案件は元帳を見たらでたらめなことばかり。まともな状態ではなかったです。
すべて終わるまでに長い時間を要しましたが、税務署といろいろ調整しながら、最後まできちんと話合いをしてまとめることができました。税務調査が入る確率は低いのかもしれませんが、そのせいで入ってはじめて慌てる社長さんが多くいらっしゃいます。
もし顧問税理士がいなくて、税務署から電話がかかってきて困っているという方がいらっしゃれば、いつでも私のところに連絡してきて欲しいですね。
ー 税務署が来てからでも対応できるものですか?
松本 献 税理士
もちろんです。依頼者から、「税務代理権限証書」という委任状をいただければ、あとは私が税務調査に対応します。
税務調査は税務署との交渉能力が重要です。もちろん売上除外や架空経費計上などは対応できませんが、こちらの言い分はきちん言わせてもらう。飲めるところは飲むし、のめないところはのまないと。
当たり前ですが、不当に税金を安くしてという方は断ってしまいますよ。脱税を求めてくるような方だったら受けられません。ですが間違いをしてしまったけれど、今後は前向きに取り組んでくれる姿勢の方ならちゃんとお手伝いさせていただきます。
その税務調査をきっかけにして、会社の経理をよくしていければと思っています。
誠実であること、それが一番大事です
ー 先生が税理士になろうと思ったきっかけを教えてください。
松本 献 税理士
簿記が好きだったんですね。簿記というのは嫌う方は徹底的に嫌うんですけれど、私の場合、仕訳をきるという作業がなぜか非常に面白く感じて、関心をもったので、就職するときは簿記をやりたいと思い一般企業の経理を選びました。
その後、簿記で一生食べていくにはどうしたらよいのかを考え、税理士試験を受験する選択肢を選びました。
ー なぜ簿記に興味を持ったのでしょうか?
松本 献 税理士
そこはもう理屈抜きです(笑)。コツコツやることが性に合っていたんでしょうね。コンピューターがないころにアナログで表をつくって、縦横の足し算があっていることが嬉しいと思っていました。性格的なものですかね。一言でいうと几帳面です。細かいと思われるかもしれませんが(笑)。
ー 税理士として独立した当初はどういった活動をされていましたか?
松本 献 税理士
税理士になった当初はいろいろやりましたね。御社のような税理士紹介会社から紹介を受けたり、ホームページもずいぶん早い時期からはじめましたね。本も出版していて、それを読んだといって来てくれた方もいらっしゃいました。
税理士会の役員もやっていますが、会報誌に記事を書いていまして、青色申告会や法人会などいろいろなところに配布されているんですね。そういったものをご覧になって来られる方もいらっしゃいます。
ー 最後に松本先生が税理士として大切にしていることをお聞かせください。
松本 献 税理士
誠実であること。人には絶対にうそをつかないこと。言ったことは守ること。そこが一番大切なことだと思います。
長くお付き合いしていると、以前に約束したことを忘れてしまうこともありますが、「そんなこと言われていない!」と言われていがみ合うのではなく、お相手の立場に立ってきちんと説明するように、それを心がけています。