「社長の嫁さん」として仕事面を幅広くサポートします
高松市の税理士法人Setupは国税での経験を生かした豊富な知識をベースに法人・個人の税務顧問や創業支援などを行っています。コーチング資格を保有し継続的な経営アドバイスなどにも応じていることが特徴です。
和泉 潤 税理士
税理士法人Setup
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お客さまである社長を仕事面で支える嫁さんを目指してます
ー 和泉先生は税理士のお仕事をどのように考えていますか?
和泉 潤 税理士
事業ドメインを考えた時に税理士業って何業かなって考えたことがあったんです。士業というと「先生」と呼ばれて上から物を言う人もけっこう多い印象ですよね。でも私は上からではなく時には同じ目線で物事を捉えたり、時には下から社長を控えめにでもしっかりと支えるといったことを目指したいと思ったんです。その時に「社長の嫁さん業」というのが私としてはしっくりときたので、これを使っています。"頼れる嫁さん”のイメージです。
ー ”嫁さん”だと何でも気軽に相談できそうですね
和泉 潤 税理士
税理士さんには気軽に電話をかけづらいなどと言う話をよく耳にしますので、もっと気軽にしょうもないことでもなんでも、気になった時に連絡してもらえるような関係を目指しています。
気になったことを気軽に聞けるような関係にないと、ついつい後回しになってしまいますよね。その時に感じた疑問点が後回しにしたことで分からなくなってしまうこともあります。また、すぐに対応すれば問題なく解決できたものが、後回しにしたことによって解決できなくなることもありますので、気になったらすぐに連絡できる関係はとても重要だと考えています。
実際、日常的に次々と電話がかかってきますので、相談しやすいと感じていただいているのだと思います。何でも解決できるというわけにはいきませんが、とりあえず何か困ったことがあったら聞いてみる相手としてもらえたらいいなと思っています。
ー 業種としてはどのような方が多いのですか?
和泉 潤 税理士
当事務所は開業して8年、9年弱ですが、サービス業や建設、飲食業が多いですね。製造業や小売業は少なめで、原価がそれほどかからない一人でもやっていける小規模事業のお客さまが多いです。
ー お客さまからのご相談で印象に残ったことはありますか?
和泉 潤 税理士
少し前の話ですが、色々と事業展開を考えていて銀行からの借り入れをしたいが、うまくいかないというお客さまがいらっしゃいました。銀行で借り入れをするためには保証協会の保証が必要だったのですが、その保証協会がOKしてくれないということで私のところに相談が来ました。内容を見てもなぜダメなのか分からなかったので、一緒に話を聞きましょうと社長に同行して保証協会に出向きました。
ー 何が問題だったのですか?
和泉 潤 税理士
もともと保証協会の保証を受けて借り入れていた分があったのですが、その保証協会に売上の計上といったところで誤解が生じていたようでした。きちんと説明をしたらわかっていただけて最終的に融資が受けられました。
融資に際して銀行などに同行して説明したりする税理士はそれほど多くはいないと思いますので、喜んでいただけたと思います。
コーチングの技術を生かして顧客の問題を具現化する手助けを
ー 和泉先生はコーチングの資格を取得されているそうですね?
和泉 潤 税理士
はい。最初に勉強を始めた時にはうまくいかずに途中でリタイアしてしまいましたが、3年経って2回目の挑戦でコーチ資格を取得しました。
ー ハードルの高い資格なんですか?
和泉 潤 税理士
コーチングの難しいところは、答えがクライアントさんの中にあるということに重きを置いている点です。私の場合、これまでお客さんから聞かれたことに対して答えを出すという仕事(ティーチング)をしていましたから、それとは180度違う考え方です。お客さんの中にある答えをどうやって引き出すかということがとても難しく、最初は頭がついていけなくて。1回やめて間を置いてもう1回頑張ってみようと思い再チャレンジしなんとか資格が取れました。
ー 今のお仕事にどのように生かされていますか?
和泉 潤 税理士
コーチング自体は成長のスピードを速める効果が期待できるもので、目的を決めて早くそこに到達するにはどうすればいいかということを話をしながらクライアントの中から引き出していくということを行います。
税理士の仕事は、お客さまである社長と毎月会えるというのがコーチングを行う上で強みだと思います。今月こうでしたねって数字の話をして、そのあとに今困っていることとか悩んでいることをどうやっていきたいかなどを聞いていきます。例えば売り上げを上げたいと考えているお客さんなら、どういうやり方があるかなど社長の考えなどを聞いて、じゃあ今月はこういう方向でやってみましょうかと具体的な行動を促すということをやっています。
ー 頭の中にある考えを具体化してあげるということでしょうか?
和泉 潤 税理士
そうですね。みなさん頭の中ではいろんなアイデアがたくさんあるのに、なかなか自分で気づかなかったり、気づいても行動まで持っていくのがなかなか難しかったりします。それを私と話ながら何から始めればいいのかとか、いつまでに何をやるということを一緒に整理して考えていくんです。コンサルとは違ってこれをやりなさいといった強制的な形ではないので、うまくいかなかったらまた一緒に考えればいいといった感じです。
顧問先なら毎月訪問できるので、翌月再訪問した時に、どうでしたかって聞けるし、うまくいかなければ軌道修正したり別の方法を一緒に考えたり、継続してコーチングを行うことができます。現在は私だけでなく事務所の従業員もコーチングの資格を取得しクライアントに対してコーチング業務を提供しています。
税理士業って誰がやっても同じになりがちなので、何かオリジナルな強みを持っていないとこれからの時代は厳しくなる一方だと思うんです。コーチングは当事務所の強みの一つになると思っています。
ー 勉強会も定期的に行っていると聞きましたが、これも差別化の一つと考えていらっしゃるのですか?
和泉 潤 税理士
はい。勉強会は事務所を今の場所に移転してからはじめました。経営実践勉強会という名称で「人材育成」と「お金」と「販売促進」の3つを柱にしてやっています。毎回知識の豊富な外部の専門家を招いてお話をしていただいています。たとえば第2回には経営コンサルタントの方を招いたセミナーを開催したのですが、財務や決算書などを詳しく見れなくてもこういう考え方でいけば大丈夫ですよということをとても分かりやすくお話してくださり好評でした。今後も融資の話や新規事業をどう考えるかなどのテーマを取り上げて開催を予定しています。
こうした試みは既存のお客さまに向けたサービスだったり、新規顧客の獲得のための側面もありますが、それだけでなく当事務所では新卒採用も考えているので従業員とともに成長していける事務所を目指すことの一環としての意味合いもあります。
顧客だけでなく税理士同士、事務所内のコミュニケーションも大事に
ー 和泉先生が税理士になったきっかけを教えてください
和泉 潤 税理士
私は高校卒業後に税務大学校に入り、税務署に勤めた後に税理士になりました。23年務めると税理士資格がとれる、それで税理士になり独立しました。
ー 税務署でのお仕事はどんなことをされていましたか?
和泉 潤 税理士
高松の国税局で査察官をしていました。38、39歳の時には2年間東京国税局査察部で情報活動の仕事を行っていました。俗にいうマルサです。悪質な脱税者を見つける仕事で毎日銀行へ出向いて預金の動きをチェックしたりしていました。
ー そうしたご経験は今の仕事にどのように生かされていますか?
和泉 潤 税理士
そうですね、例えば法人税とかでも解釈の問題でグレーゾーンが出てきますが、それをどう考えるかみたいなところで長年の経験からいろいろとアイデアを考えられると思います。税務署のOBとしては納税者であるお客さまにどれだけ寄り添えるか、税務署の立場を考慮しながらできることは強みだと思っています。
それから、税理士として独立したことで、仕事をしてお客さんに感謝されることが増えたのがなによりもうれしいですね。前の職場では「なんで税務調査に来たんだ」とか怒られることはあっても感謝されることはなかったですから。今はやりがいをすごく感じます。
ー 和泉先生がお仕事をするうえで大事にしていることはどんなことですか?
和泉 潤 税理士
同業の人と仲良くできるかできないかというのは結構重要だと思っています。当事務所の経営理念にも入れていますが、仲間内の和を広げる、ということを大切にしています。現状でいうと、仲間を増やすというか、知り合いを増やす、といったことですね。
税理士は縦社会の傾向があって、自分のところに寄ってくる後輩たちばかりを可愛がりがちなんです。でも私はそうではなく横のつながりを増やしていきたいと思っています。税理士同士で色々仕事の幅を広げていくというかんじでしょうか。
国税OBの先輩・後輩も当然仲良くしてますが、そればかりでなく、いわゆる試験組と呼ばれる勉強で税理士になった人たちとも仲良くして、色々情報収集しています。
それと、お客さまに対しては親身になって話を聞くことですね。コーチングの勉強の中で「聴く力」というものも勉強しました。もともとは人の話を聞かずに自分の意見を言うほうだったのですが、良い人間関係を作るためにはよく「聞く」ことを含めコミュニケーション力が大事ということだと思います。
話し終わった後に、今わからなかったことはないですかと聞くことも心がけています。意思疎通がうまくいかないせいで聞いてる聞いていないといったことが問題になるケースがいちばん多いと思いますので、とくに気を付けています。
ー 事務所内でもやはりコミュニケーションを重視しているんですか?
和泉 潤 税理士
どうしても事務処理仕事が多くなってしまうので、極力楽しい雰囲気づくりを心がけています。笑いの絶えない職場環境づくりをするようにね。暗い雰囲気の中ではいい仕事ができないですから。