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【税理士監修】投資家や上場企業役員にこそ知ってほしい、証券担保ローンの活用方法と節税メリット

「証券担保ローン」は、ローン商品の一種で、保有している有価証券を担保に証券会社などからお金を借りる制度です。有価証券を保有したまま利用できるため、たとえば、塩漬け株や自社株などの“売るに売れない株”をお持ちの方にとっては大変便利な制度ですが、注意すべき点や制約もあります。
この記事では、証券担保ローンを利用した際のメリットやデメリット、節税の効果について解説します。

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証券担保ローンとは

証券担保ローンは、保有している株式などの有価証券を担保に融資が受けられるサービスで、主に証券会社で取り扱われています。最大の特徴は、有価証券を手放さずに資金調達でき、借りたお金の使い道も基本的には自由である点です。

有価証券を保有中、急な支出が発生する場合の対応として、以下のふたつのケースが考えられます。

  1. 有価証券を売却する
  2. 一時的に証券担保ローンを利用する

それぞれの特徴は以下のとおりです。

有価証券を売却した場合、利息負担はありません。しかし、有価証券の売却益が発生した場合には、利益に対し税金が課されます。また、売却後は配当金や株主優待も受けられません。

一方、証券担保ローンの場合は、利息負担や事前の融資審査・契約が必要となるものの課税はなく、ローン利用中も配当金や株主優待を受けられます。ただし、借入期間が長くなると想定以上の利息負担になることも考えられます。そのため、資金が必要となる期間や金額規模を考えた利用が求められるでしょう。

保有株を売らずに資金調達が可能!証券担保ローンのメリット・注意すべき点

特に保有株を手放したくない、もしくは手放せない投資家や上場企業役員にとっては、利用するメリットの大きい証券担保ローン。具体的にどのようなメリットがあるか、注意点も併せてご紹介します。

証券担保ローンを利用するメリット

  • 売却できない株式でも資金調達できる

投資家や上場企業の役員において、今後の値上がりを期待していたり、役員を務める自社株などで売却が困難だったりする場合も、株式を保有したまま資金調達が可能です。

  • 借りたお金の使途は自由

本来、ローンは「住宅ローン」や「マイカーローン」などのように、その資金の使い道が決められています。一方、証券担保ローンでは基本的に使い道を問われることはありません。子どもの学費や旅行資金、追加買付や不動産投資資金などの資産運用としても使用することができます。

  • 配当金や株主優待は受け取れる

株式を売却した場合、配当金や株主優待を受けられません。しかし、証券担保ローンの場合は株主名義が変わらないため、従来どおり受け取れます。

  • 融資審査の早さ

ローンの申し込みに際し、「住宅ローン」や「マイカーローン」のように売買契約書や見積書などの書類を提出する必要がないので、手続きが簡単で比較的短期間に資金調達が可能です。商品によっては即日入金されるケースもあり、急な出費にも大変便利です。

証券担保ローンを利用するうえで注意すべき点

  • 担保有価証券の価額を管理する必要がある

担保にしている有価証券の価額が下落した場合は、返済や担保の追加が必要になることがあります。下落状況によっては、強制的に担保売却される可能性もあるため、返済や追加担保の差し入れができるよう、事前に準備しておく必要があるでしょう。

  • 追加で証券投資する場合の投資先

調達した資金で、有価証券を追加投資する場合は、銘柄選びも重要です。もし、担保有価証券と同一銘柄に投資し値下がりした場合は、損失が膨れ上がるため要注意です。

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売却より100万円以上減税になるケースも!証券担保ローンの活用術

では、証券担保ローンを使用することで株を保有し続ける場合と、売却によってキャピタルゲインを得る場合では、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、上場株式を売却した場合と、保有し続けた場合の税金を比較します。

上場株式を売却した場合と保有し続けた場合にかかる税金

売却 保有
① 総収入金額(譲渡価額)- 必要経費(取得費+委託手数料等)=上場株式等に係る譲渡所得等の金額
② ①×20.315%=税額
① 収入金額(源泉徴収税額を差し引く前の金額)- 株式などを取得するための借入金の利子=配当所得の金額
② ①×20.315%=税額

売却の場合は、譲渡した(売った)価額から購入したときの株式の購入価額と委託手数料を差し引いた金額に税率を掛けて算出します。一方の保有した場合は、配当金の額から借入金の利子を引いた金額に税率を掛けます。

なお、売却にまつわる税金は、売って初めて値上がり益が確定し、税金が課されます。たとえ値上がりしていても売却しなければ課税されることはありません。

ここからは、具体的な事例で比較してみます。

◆前提条件
現在の価額:10,000,000円
購入時の価額:3,000,000円
年間の配当金:120,000円

◆税額計算

売却(売却益) 保有(配当金)
(10,000,000円-3,000,000円)×20.315%=1,422,050円 120,000円×20.315%=24,378円                                 

上記で計算したとおり、売却も保有することも、税率は20.315%で同じですが、値上がりしている銘柄であれば、値上がり益の金額により税額は大きな差となります。

なお、先程も述べたように、保有したままであれば、たとえ値上がりしていても含み益に過ぎず、売却益として課税されることはありません。そのため、一例ではありますが、売却と保有では税額に100万円以上の差が生じることもあります。

利子の控除が可能

証券担保ローンを利用して資金借入をした場合、保有有価証券として受け取った配当金からは、借入金の利子を控除して税額を計算することができます(要確定申告)。

先程の事例の場合、仮に支払利子が3万円だとすると、税額は18,283円((120,000円-30,000円)×20.315%)となり、約6,000円税額が減少し、節税効果があります。

値上がり益課税の繰り延べ

先程の事例でも、売却と保有した場合の税額差は100万円以上となりました。一時的に資金が必要となった場合でも、高値のときに売却すると思わぬ税負担を強いられることがあります。証券担保ローンを活用することで、売却時期を将来に繰り延べることができ、課税負担をコントロールすることも可能です。

【!】 大口株主等は注意が必要
配当金の支払いを受ける方などが保有する株式等の保有割合が3パーセント以上となる場合、その支払われる配当等については、総合課税の対象となります。よって、所得税を計算する際は、ほかの所得と合算するので、最大で45%の所得税が課される可能性があります。追加で株式等を購入する場合は、株式の保有割合にご注意ください。

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上場銘柄の8割超を担保利用可能!最大3億円まで利用できる「コムストックローン」

コムストックローンは、日本証券金融株式会社が提供する個人向け証券担保ローンです。
利用者の約30%を上場企業の役員や社員が占める「コムストックローン」の特長をご紹介します。

1.担保に入れても権利はそのまま!配当金や優待取得OK

保有する株を担保に入れても、配当金や株主優待等の株主としての権利等を受けられます。さらに、借入資金で買い付けた株も同様に権利等を受けられます

2.担保売買自由&即時入金

コムストックローンの担保として利用中の株式についても、提携証券会社にて自由に売買を行うことができます。また、事前に契約を済ませておけば、融資申込後、資金が即時に口座に振り込まれる「リアルタイム融資」が利用できるため、相場下落時等の買い時でタイムリーに買付資金を調達できる利点もあります。相場上昇時等の売り時での売却に制限はかかりません。

3.多様な銘柄に対応!上場銘柄の8割超が担保利用可

コムストックローンでは、国内上場銘柄の8割超が担保として利用可能です。一部、融資時の担保として利用できない銘柄(融資不適格銘柄)がありますが、コムストックローンのウェブサイトで事前に確認することができます。

特に上場企業役職員などで売却に制限のある自社株式や、個人投資家で現在は塩漬け株になっているなどといった“売るに売れない株”を保有している場合も、それを担保に資金調達ができます。
そのため、コムストックローンは上場企業役員・社員(約30%)を筆頭に利用されています

4.契約手数料なし!低金利で最大3億円まで利用可能

資金使途は自由です。30万円~最大3億円(※)までの融資が受けられるため、子どもの学費や旅行資金、住宅リフォーム資金、介護費用、新規投資資金など、さまざまなシーンで活用できます。
※5,000万円を超える場合は、別途審査が必要です。

また、契約手数料は不要、契約後は任意のタイミングで融資申込可能です。さらに、融資利率は年率2.675%~4.175%となっており、いざという時の備えとしても利用できます。


参照元:https://web.jsfnet.com/lp/

おわりに

証券担保ローンは、急な資金ニーズにも対応でき、節税効果も見込まれますが、税法による制約やローン利用によるリスクも存在します。
また、必要以上に利用すると追加の担保提供や無用な金利負担も生じる可能性があり、意図せず売却しなければならないことも想定されます。利用をする際には、適正な借入額や期間を定め、無理のない範囲で利用することを念頭にご活用ください。

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情報提供

日本証券金融株式会社
※2024年3月現在の情報です。掲載内容は予告なく変更となる場合があります